20110208 NO.4
◎田母神(たもがみ)国軍 たったこれだけで日本は普通の国になる
 これは、最近読んだ本のタイトルである。田母神俊雄氏は、元自衛隊航空幕僚長。民間の懸賞論文に応募した作品内容を理由に解職された。しかし、その主張は日本人を覚醒させるものであり、多くの人の共感を得て、講演・執筆活動に多忙な日々を送っている。
 私も、(方法論は別として)自分の国は自分で守るという気持ちを、国民一人ひとりが持たなければならないと思っている。この本で述べられている田母神氏の主張は、極端な考え方かもしれないが、議論のたたき台としては的を射ている。
 その主張をまとめると、次のようになっている。

軍事力は戦争をするためのものではなく、対等な立場で平和的に外交交渉を行うための道具になっている。そのため、周辺諸国とのバランスをとることが必要である。
どの国も(日本以外)、自国の国益に基づいて行動するので、アメリカにしても、日本を見捨てて中国と組むことも十分ありうる。
戦後65年にわたって、自主憲法を制定せず、自衛隊を宙ぶらりん状態にして、全てをごまかしてきたことが、今の政治の体たらくを生んでいる。自主憲法を制定し、自衛隊を軍として明確に位置付けることで、国家の独立、国民の自立を手に入れなければならない。
今後、民主主義国同士が戦争で物事を解決することはなく、この意味から、アメリカと軍事バランスをとる必要は全くない。中国、ロシアなどの政治体制が異なる国とバランスをとらなければならない。
軍拡を続ける中国の軍隊であっても、今の自衛隊戦力の1.5倍くらいで十分対応できる。今後保有すべき戦力は、原子力空母3隻(艦載機なども含む)、戦略原潜と攻撃型原潜4組、戦略爆撃機部隊などであり、それに係る費用は維持費も含めて年間1兆5千億円程度で、子ども手当初年度予算の3分の2で足りる。
現在のようなデフレ下には、自衛隊予算、自衛隊員を増やすことのほうが有効である。雇用対策になり、国産兵器開発が景気刺激にもなる。
以上の他、核武装のことにも踏み込んでおり、考えさせられた。



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