『祝!「山の日」』
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◎剱岳登山
毎年恒例の、仲間と行く夏の山歩き。今年は、北アルプスの剱岳を目指した。今治で「つるぎだけ」と言うと徳島の剣山と間違えられるが、剱岳(2,999m)は、日本国内で一般登山者が登る山のうちでは危険度の最も高い山とされている。

昨年の屋久島宮之浦岳登山で、中四国、九州の百名山オール制覇。石鎚山お山開きの強攻登頂にも慣れてきた、その勢いでこの難山へのチャレンジとなったのであるが、メンバー全員がそれなりのトレーニングを積んで備えた。私も11月から、毎日ではないにせよ早朝ジョギングを続けてきた。

7月28日(木)夜、東予港からオレンジフェリーで大阪南港へ。高速道路をひた走り、正午前に富山県立山駅に到着。ここから、黒部アルペンルートのケーブルカー、高原バスを乗り継いで、室堂ターミナル(2,450m)には午後1時頃着。

以降は、自分の足のみが頼りで、3年前の立山登山のときに宿泊した雷鳥沢(2,300m)までいったん下り、そこから急坂を上り2,750mの別山乗越を越えると、今度はだらだらと下って宿泊場所の剣山荘(2,470m)に午後5時過ぎにたどり着いた。

 別山乗越(後方)からの下り
 大きな雪渓を渡る

約4時間の歩行で結構疲れたが、翌日には剱岳に登って下って、それからまたこのコースを引き返すのだから、どうにかなるさと開き直るしかない状況である。

 こんな岩場もある 先が楽しみ
 霧の中、剣山荘到着 宿泊客があふれている

7月30日(土)登頂日。剣山荘では我々5人だけの部屋であったが、早くから外が騒がしくなり、興奮していることもあり、3時頃までには目が覚めてしまって、計画より1時間近く早い午前3時40分頃暗闇の中を出発した。

剱岳登山は、本山の前に一服剱(2,618m)、前剱(2,813m)などを、鎖場を上り下りしながら越えて行かなくてはならず、数字の上の高低差よりはるかにタフな行程になる。

 剣山荘出発
 前剱に向けての急坂

 前剱からふり返る 一服剱と立山連峰
 登山道サイドの山肌

暗闇の中出発したが、明けてくると青空とまではいかないものの、雲間に山々が見える絶好の山天気。意識してスローペースで登ったので思ったほどの疲労感もなく、鎖場にしても「大したことないじゃん!」と、軽口をたたけるくらいであった。

しかし、周りを見てみると、我々(一人だけは造船所現場ヘルメット)以外はそれなりのヘルメット着用の上、ロープで連結するなどきちんと安全対策をしている。自転車のヘルメット着用と同じで何もなければジャマだけど、もしもの時の対応ができてない我々の甘さが露呈した感である。

結果的には事故なく下山できたので、普通であれば「よかった!」で終わってしまうものであるが、さすがに凄い山、次回からの登山装備については周到な準備をしなければならないと強く意識づけられてしまった。剱岳の無言の教えである。

剱本山に近づくにつれて尾根筋は急峻にそそり立ってくる。それを巻いたり越えたりする鎖も長くきつくなっていく。厳しいところの鎖場は、上り用、下り用に分かれていて一方通行になっている。

「カニノタテバイ」と呼ばれる最難所・最後の鎖場は、遠目にも近目にも迫力がある。これさえ越えれば、あとは山頂まで普通の山歩きになる。ほぼ垂直の岩肌を、鎖を頼りによじ登るのであるが、足元を支えるように打ち込まれた鉄筋や削り込まれた岩窪など、上級者でなくても大丈夫なように配慮がなされており、あっという間にクリアできてしまった。途中で下を見ればかなりの恐怖感を覚えるであろうが、何せ、切り立っているから上ばかり見てしまって、せっかくの最高級岩場感触を楽しむことができなかった。

 前剱を越えた 剱岳現る
 上りは右 左側の鎖は下り用

 先行グループが鎖場を上っている
 最難所「カニノタテバイ」 ほぼ垂直

カニノタテバイから約30分、剣山荘から約3時間で剱岳山頂(2,999m)着。達成感はあったが、先にも触れたように疲労感はあまり感じなかった。遠くまで見通せるほどではないにせよ青空が覗くような天候で、普通であればここで朝食のはずが、誰かの「もう下りようぜ!」の一言で早々の下山開始となった。

朝食弁当は剣山荘で用意してもらったもので、ちょっとしたハプニングがあったため頂上から少し下ったところで食することができた。後で考えてみると、山頂では、これだけのところに来たという感動などで心の中が揺れ動いていて、このため、食事さえも取ることができなかったようである。(1名だけは最後までこの弁当を食べなかった。)

 山頂目前 前剱からの尾根線がくっきり
 無事山頂 6:45

 下りの難所「カニノヨコバイ」
 神々しい尾根

下山路も、上りと同じような鎖場のアップダウンの繰り返しであり、また、大きな岩がころがる急斜面では、上り以上に慎重に歩みを進めなければならず、朝の出発点の剣山荘まで帰り着くのに、上りとほぼ同じ3時間かかってしまった。さらに4時間を超える行程を経て、午後2時過ぎに室堂ターミナルまで帰り着いた。この日は富山駅前のビジネスホテルに宿泊した。安価なホテルでも大浴場が備えられていて、疲れ果てた体に最高のご褒美を貰った感である。

翌7月31日(日)、永平寺と勧進帳の舞台・安宅関に立ち寄っただけで、あとは高速道路を乗り継ぎ、走りとおして帰宅した。

◎参議院選挙を終えて思うこと
7月10日に行われた参議院選挙愛媛選挙区は、まれに見る接戦、8,429票差で山本順三氏が競り勝った。永江氏の活動拠点の松山市で5,880票の負け越しに対して、山本氏の地元今治市、上島町で13,232票勝ち越した。この票差がほとんどそのまま全県の票差になったような結果である。

地元新聞などマスコミの偏見・悪意に満ちた、安全保障政策やアベノミクス経済政策などに対する批判報道による逆風の中、また、知名度で圧倒的に上回る対立候補のことを考えると、票数は僅差であったけれど内容では大勝したと私は思っている。

全県一区の選挙のため、広い選挙区を走り回る候補者本人の声を隅々まで届けることは非常に困難であり、実際のところ、ほとんど届いていない。投票した人の判断基準は、わずかに伝え聞く候補者情報と現政権の政策に対する賛否であったのではないだろうか。

私は、物事を決めていかなくては前に進めないと思っている。その点について現政権は、直面する事項はもちろん、過去の自民党政権があやふやに先送りしてきた問題についても積極的に取り組んでいる。中国、ロシア、韓国などに対しても毅然とした姿勢で立ち向かい、安定した平和な国際社会実現を目指している。長く続いてほしいものである。

 議員会館から見た国会議事堂

7月10日、私は投票が締め切られる午後8時前に家を出、山本陣営の選挙報告会が行われる国際ホテル松山に向った。車載のテレビに映しだされるNHKの出口調査結果は、接戦と言うものの、どう見ても負けている。5ポイントくらい開いているように見える。頼りは過去最多になった期日前票の行方である。

NHK出口調査結果は年代別のものも放映されており、これを見ると、若い年代ほど勝っている。50歳代で負けており、一番人口の多い60歳代で大負けになっている。しかし、このことは、若者が多い松山市ではそんなに差がないことを表しているのではないだろうか。望みをもって開票速報を見ながら待つこと約3時間、予想通りの結果に満足して万歳し、家路についた。

ここからは、私の勝手な想像であるが、若者は情報のほとんどをネット経由で得ている。よく考えて、様々な情報の中から正しいものを選別しているようである。浮動票と思われているものが、実はそうではない。期日前に投票した人の多くも、しっかりとした考えをもって行動しているように思える。まだまだ投票率に表れるほどではないけれど、前向きに物事を進めようとする政治に対して人々が反応し始めたと感じている。

◎2016年の農作業
副議長に就任してからは、当然のことながら何かと出番が増えている。春先から梅雨明けまで雨天が続いたこともあり、様々な作業が遅れ遅れで、結果として手抜きに繋がってしまった。前回お知らせしたように、桃園の主力を改植していたので、桃の収穫作業に手間を取られず何とか間に合った。

桃の苗木は、今年の新植、昨年植えたものともに順調に生育している。5年前に植えたのは全滅した。この苦い経験を活かし、研究もして臨んでいる。まだまだ油断できないが、来年からは新しい有望品種の味わいを楽しめそう。

 今年の新植 7月1日撮影
 昨年植えたもの

年ごとに増え続けるイノシシ。田んぼの中を走り回り、畔を突き飛ばし、稔ってきた稲穂を押し倒しながら食い尽くしていく。予防策は、ワイヤーメッシュ(金網)で囲んでしまうか、電気柵を張り巡らせるかである。金網を使うのは、物理的に遮断してイノシシが入れなくするものだが、最近ではイノシシが学習して、押し倒したり、下を掘ってくぐり抜けたりするようになってしまった。

イノシシ対策の電気柵は、高電圧のかかった電線を地面から15cm、30cmの高さに張り巡らすもので、電気ショックでイノシシを追い払う。臆病で慎重な性格のイノシシは、鼻先で触れて確認しながら侵入するので電気柵が効果を発揮する。30cm程度では簡単に飛び越せるが、電気ショックを経験させることで危険なものだと教え込み、近づかないようにする。このため知能的防御法と言われている。

しかし、何かに驚いたりして、猪突猛進で一気に突っ込まれた時には全く役にたたない。何度かそのような経験を重ねさせると、覚えてしまわれて電気柵が効かなくなってしまう恐れが出てくる。毎朝点検し、侵入した形跡を見つけたときにはすぐに対策をし、イノシシの学習能力を逆手にとった教育をしなければならない。知恵比べの毎日を送っている。

 電気柵、普通は下2線 何度も手直した




森きょうすけ
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