20090811 NO.1
◎位置・経緯
 今治西部丘陵公園は、新都市開発第2地区、現在分譲中の宅地・しまなみヒルズの北側に位置し、近見山南麓の丘陵地で、阿方から高地町にまたがっている。新都市開発整備事業の目玉の一つ・大規模スポーツ公園整備としてその計画がスタートした。この当初計画は、野球場、陸上競技場、体育館、プールなど主要な体育施設ほとんどを集めたものであり、今治市のスポーツ振興の拠点となるはずであったが、平成9年に行われた自然環境調査で、公園整備計画区域内に「オオタカ」の営巣が確認され、大幅な計画見直しを余儀なくされた。
 総合公園に見直された公園計画の事業認可を平成12年度に受け、同年に用地買収着手、平成16年度に工事着手したが、新都市開発が合併時の選挙争点になったことから、平成18年度には、事業を一時休止して再度の事業計画見直しを行った。平成19年度に有識者等で構成される「今治西部丘陵公園整備計画検討会」を開催し、次のとおり、新たな整備計画案が市長に提言された。
・提言の基本コンセプト
  貴重なオオタカをはじめ自然環境の保護と里山環境の保全・復元により、市民の誰もが憩いと体験を通じ、暮らしの潤いを実感できる公園作りを目標とし、「自然にいこい、体験を通じて、自然との共生を学び、里山の自然資源と環境を活かす公園づくり」と設定
・提言の基本方針
里山の自然を感じ、心が安らぎ元気がみなぎる公園づくり
里山の自然観察、オオタカ等の生息環境再生活動などを通じて、自然のちからを知り、学ぶことができる公園づくり
棚田の再生と作物栽培、竹加工、炭焼きなどのものづくりを通じて自然に働きかけ、育てる喜びを子どもから高齢者までが四季を通じて楽しめる公園づくり
さまざまなふれあい活動を通じて、人と人、人と自然の共生を深める公園づくり
 この提言による整備計画案については、特に、里山環境の保全・復元は、荒廃していく中山間地の再生そのものであり、無理にここで行わなくても必要とされているところは他にいっぱいあろうが!!との声も大きい。
 私も同感ではあるが、すでに用地買収済のこの公園整備は、このような方策しか無いのが現実であり、後述する教育プログラムなどと合わせて活用していくべきだと思っている。

photo-1  提言による計画平面図


      次へ   INDEXへ