20101027 NO.2
◎食糧自給
 世界人口の急増予測を考えるとき、我が国の食糧自給率向上は喫緊の課題であると言われている。政策として、米の個別所得保障制度や耕作放棄地対策など行われているが、それらが食糧自給率向上につながるとは、とても思えない。余っている米の所得保障をしたところで、自給率にはほとんど影響しない。非効率なため耕作が放棄された農地を復旧し、営農しても、経営が成り立つわけがない。段々のみかん園跡地に何を植えるのであろうか?
 結局のところ、世界の穀物取引価格などが日本の生産価格に近づかなければ自給率向上は可能性薄である。
 ここで提案したいことは、国の自給率向上ではなくて、家庭の食糧自給率向上である。
 以前、定年退職後の就農について触れたことがあるが、下地が何もない人が、退職後いきなり農作業ということはなかなかできるものではない。家庭菜園を持ち、若いうちから育てる楽しさ、喜びを体験していれば、すんなりと就農することも可能であり、本格的な農業に移行できなくても生涯の趣味として自分の食糧を生産し続けることができる。
 ほとんどの家庭が自己消費用の菜園を持っている。そんな今治市を目指したい。菜園は、宅地内、あるいは隣接した場所にあるのが理想ではあるが、多少離れていることがちょうど良いこともある。多くの家庭が農地を持つことは、耕作放棄地が減少することにつながり、地産地消をさらに進めた自産自消につながっていく。また、多くの人が屋外で作業することで、防犯、景観など良好な地域環境にもつながっていく。
 現在の農地制度では、ある一定以上の農地を持っていなければ新たに農地を購入したり、借りて耕作したりすることができない。農地、農家を守るための制度であるが、逆効果にもなっているように感じる。特区の申請をし、誰でも面積に縛られることなく農地を持てるようにし、日本のモデルとなるようなまちづくりを行いたい。人口が減っても、青空の下でふれあう人の数を増やして行きたいと思っている。


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