20111214 NO.4
◎小松市
 小松市は、国際的建機メーカー(株)コマツの企業城下町であり、北陸随一の小松空港を擁するとともに、この空港を管制、管理する航空自衛隊基地になっている。
photo-8  小松駅横にある(株)コマツ記念館

・歌舞伎でまちおこし
 小松市には、240年もの伝統を重ねる曳山子供歌舞伎があり、毎年5月に行われる「お旅まつり」で、絢爛豪華な8基の曳山が一堂に揃うとともに、その中心で当番町の2基が子供歌舞伎を上演する。また、歌舞伎「勧進帳」の舞台・安宅の関が所在している。これらのことから「歌舞伎のまち小松」を標榜し、全国発信を続けている。
平成11年からは、お旅まつりにあわせて「全国子供歌舞伎フェスティバル」を開催しており、日本中から子供歌舞伎を集めての競演会が行われている。
また、市内の10中学校が、持ち回りで歌舞伎「勧進帳」を上演する中学校古典教室が、昭和61年から続けられている。これは、役者や長唄・囃子方、メイク、着付け等をすべて中学生が行い、年間を通して準備し、秋に上演されている。我々が小松市役所に入ったときに、ちょうど地元のケーブルテレビ番組で上演の模様が放映されていて観ることができたが、その本格度合い、完成度合いに驚かされた。この経験は、生徒達の将来に生かされるであろうし、その生徒達が担っていく小松市のまちづくりにも大きく貢献していくものと思われた。
photo-9  テレビ画面に映る中学校古典教室
photo-10 

歌舞伎を上演するためのホール「こまつ芸術劇場うらら」が、小松駅前に建設されて、平成16年にオープンしている。20mの花道を備えており、子供歌舞伎フェスティバルや古典教室でも使われている。
平成22年には、市制70年を記念し、イメージアップを目指したキャッチコピー「いよっ小松」と、勧進帳の弁慶をモチーフにしたキャラクター「カブッキー」を誕生させて、歌舞伎によるまちづくりを加速させた。
photo-11  キャッチコピーとカブッキーをプリントした公用バス

小松市にとって歴史的に根付いている歌舞伎は、他の都市から見ると、極めて特殊である。他所にはないものをまちづくりに活かすことは、常とう手段ではあるが、歌舞伎はちょっと難しいと思っていた。学校教育に組み込んだことで、前を向いて進んでいる。今後を注目したい取り組みであった。



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